統一政府による外宇宙探査は、銀河の遥か彼方にある地球に似た惑星をいくつか発見するに至った。
主な出資者である冒険商人の一団は、太陽系に酷似したその宙域を、ゾイドゾーンと名付ける。
ときに22世紀、地球は度重なる紛争と飢饉、深刻な環境汚染により限界が来ていた。そんな中、かつて大林組を中心に始まった火星移住計画は苦難の末に成功し、次なるステップに向けて組織されたのが深宇宙探査機構である。それは荒廃した地球からの大規模移民を目標としていた………少なくとも表向きは。
そして、紆余曲折ありゾイドゾーン宙域にある最適な惑星を見繕ってテラ・フォーミングする計画が発足する。
世にいうグローバリー計画であり、エンジンの異なる3隻の新型宇宙船が建造され、出発の日は移民船のコンペを兼ねたものとなった。
そのうちの一隻、最も船速のあったグローバリーⅢはゾイドゾーンへ突入してから “不幸な事故” に遭遇し消息をたってしまった。
彼ら22世紀人は知らない。グローバリーⅢがとある惑星へ不時着しており、それが後に地球文明発足の、現生人類誕生の鍵を握る最初の事件となることを。
そして、何世紀も前から “こうなる” ようさだめられていた事を未だ誰も知らない。