🎼神々の宿る世界樹 ~機神(おに)たちのユグドラシル~Ψ

神仏を敬い鬼神を祀る機神教団の色々アウトな地下迷宮です。尚、オフィシャルサイトでは御座いませんので神社仏閣の擬Zi化につきましてはタカラトミー様ならびに神社仏閣関係者様からの苦情がありしだい画像を消去いたします。

山梨県富士吉田市 新屋山神社奥宮  YZ-00

🎼ヴァルハラ迷宮 LV2

SPEC・・・・<名前>アラヤヤマ神社-オクミヤ
Ψ祭神 ヤマノカミサマ ∞金運-G級 <発掘場所>〒403-0005 山梨県富士吉田市上吉田5615・・・・・霊峰富士の神山の二合目「へだの辻」(標高1700m)に鎮座。霊験灼かにして不思議に緒願が成就し、神徳顕著もって住古から知られ県内外、遠近より数多の崇敬者が参拝に訪れております (5月から11月まで参拝可能)

※パンフレット

 新屋山神社の奥宮は、富士山の二合目のヘダノツジにある。
 そこは、山仕事に行ったときに休む所で、ハラ(草地)とヤマ(林地)との境であり、その奥のヤマから木を伐りだしていきました。もとはヘダの木の根の上に赤い石があり、信心講が石祠をたてて祀りました。平成23年にお社を新築し、8月7日に遷座され崇敬者の皆様にご参拝頂いています。

 この神・・・どうも金運以外にも望みを聞いてくれる全能神のようです。アラヤヤマ神社の野生体。
(お礼所 午前10時~午後3時まで)


 おはようございます_我が主よ!
 パラレルワールドにおつなぎしますか?
………………かしこまりました! 

 アバターを検索しています_しばらくお待ち下さい………………検索結果が出ました。


   〘ディック•ベン〙

 種族 ノルド系アメリカ人(25)
 スキル CQC
 所属 元国連宇宙軍月面守備隊
    オーガロイドライダー
 備考 東京都神田での作戦中に上官含む
    3名を殺害_現在逃亡中。




 





 地下深く眠る、謎の高エネルギー体によって成長し続ける霊峰富士山。日本列島の中心にある、この活火山からは、ときおり謎大き鉱物が発射される事がある。


 
 ウドンと、ホウトウが美味い町、山梨県富士吉田市
 スワンボートが浮かぶ山中湖を過ぎ、自衛隊の基地を過ぎ、シンボルのレーダードームを左手に見ながら、赤いバイクが走っていた。
 観光地ゆえに混み合う国道を曲がって県道701号線に入れば、広い道幅のわりに、めっきり交通量が無くなった。ここから先は、研究施設ぐらいしか無い森の道だからだ。


 
 研究施設を通り過ぎると突然道が無くなり突き当たる。

 目印である「中の茶屋」。その左手のゲートから林道へ入れるようであった。
 ちょっとした天候の変化でも封鎖される上に、年間11月~4月までの期間は閉ざされる為に奥宮まで到達出来るチャンスはそう多くない。




 不揃いな原生林の道に入ると、道幅も狭くなり、右へ左へとうねりだす。下山中のクルマが車線をはみ出してくる。それをひらりと躱しながら、メカ生体で疾走していると、木々の間に大きな気配を感じた。ソテツと白樺の間に。
 ……山の動物かもしれない。


 
 林道は、いくつかの分岐があるものの、観光用に整備されたルートであるため遭難する危険はほぼ無いだろう。



 妖精の森のような景色は、モーター音と風に押し流され、茶色い砂の高山植物の林に変わってゆく。


 沢に掛かった橋の上でバイク型メカの車体をターンさせると先程通り過ぎた車列の中へ滑り込ませ停止させた。



 道路脇に設けられた、心ばかりの駐車スペースだった。縦列駐車の列は、収容台数を超え公道にはみ出していた。
 中の茶屋(林道入口)からおよそ30分、道幅や勾配の変化する急な登り坂、そこにヘアピンカーブも加わった。 
 バイクはーーー”Rガネーシャ“は、まるで獣が全身で呼吸をするように、赤い装甲板を大きくうごめさせていた。    
生きた機械だからだ。


 外気はヒンヤリしている。長身の白人はライダースーツのヘルメットを外す。微かに白い息がこぼれた。
 鍛え抜かれた鋼の肉体からも湯気が出ている。


 “参拝→” と示す看板の方向をみる。閉鎖された仮設トイレの向こうに、人だかりが見えた。
 登山家、工場作業員、厳つい顔をした大工達、首からネームプレートを下げたスーツ姿の集団。

 
 神社は大勢の人間がいるにも関わらず、シーンとしていて物音がしなかった。参拝者達が寡黙な訳では無く、まるで防音の壁に囲まれているかのようで不思議だ。
 足を踏み出すと砂場のようだった。スコリアという黒くて細かい軽石が靴にまとわりつく。
 
 

 こんな、森の中にも社務所(神社の事務所)
があり、巫女装束の女が御朱印や御守りを販売していた。
 神主らしき男は、スーツを着たグループを順番に祈祷している。



 最後のグループが去る。スコリアの丘の、窮屈な鳥居をくぐりつつ、遠くに濃い霧が立ち込めるのが見えた。
 ガ ツ ン
 と、頭をぶつけて悶絶する。2つ目の鳥居が中途半端な角度であった。


 手水舎もなく、棚の付いた小屋だけの小さな社殿は、鳥居との間隔がそれほどない。屋根にはツノが立派な竜の彫り物がある。奥に何があるかと覗き込めば木彫りの大黒天と、丸くて小さな鏡があるだけである。


 鏡は大抵の神社に置いてあって、太陽神の象徴、もしくは異世界と交信する為の入口と言われる。大黒天は山神であり、新屋山神社の祭神である岩長姫の祖父、もしくは父に当たる。
 
 さて、初めてお祈りするのだがどうすればいい?
 天にまします我が神ヤーウェよ

 “やあはじめまして”
 
 「ぼくは、ずっとキミのそばにいたよ?」

 ……!?

 小さな子供が耳打ちするような声は確かに聞こえた。
 鳥居の内側には、自分しかいない。当然、幻聴という事になるのだがーー。
 

 背後の参拝者たちと目が合った。
 声の正体を確かめる間もなく、オレはその場を後にするしか無かった。
 
 そんなことより、この神社に来たのは重大な理由がある。
 昔々この辺りで木こり(山岳修行者)をしていた者が、とある石を発見しそれを祀ったのが新屋山神社(アラヤヤマガミシャ)の始まりだという。
 それは願い事がなんでも叶う赤い石だという。
 さらに、国道413側にある方の里宮に当たる神社には、アマテラスに偽装した磐長姫命が祀られている。
 磐長姫命は日本神話において、不老長寿の石を表す事で有名だ。

 オレがここに来た目的は、UNSF(国連宇宙軍)の連中より先に、“賢者の石”を確保することにある。冒険商人たちの好きにさせてはならない気がしたからだ。

 

 

 もう一方の窮屈な鳥居の先は、木々に挟まれたこれまた窮屈な小道になっている。わざわざここを通ることも無いのだが、せっかく日本に来たんだし雰囲気を大事にしようではないか。林をぬけた広場には……小さなストーンサークルに囲まれた小さなドルメンがあるではないか!
 偶然の一致だろうが、富士山の裾野が、伝説の神の都アスガルドであるという噂を信じたくなって来た。
 


 
 「ひょっとして”けんじゃのいし“っていうのを、さがしているの?」

 ! ?

 声のした空間をみると、透明な何かが揺らめきながら離れて行くのが見えた。
 深い霧が立ち込め、静寂に支配される。


 どっちだ?……どこへいった? 


 声の主を追いかける、どんどん森の奥の方へ。
 砂山と化したスコリア(溶岩)に足を取られながら、
ミルクのようになった霧の中へ。

 右手の奥へ。



 まるで、月か火星の表面のようになった地球離れした地面。左手側は木々の無いスコリアの平原になっている為、反対側のコンクリートブロックなどをガイドにしながら進んで行くと、やがてコンクリートの壁で行き止まりになった。
 ガサ、どさっ、ささっ、どさっ!
 ふりかえると、まるで見えない蹄のようなものにスコリアが蹴散らされていった。

 ブーツに砂が入るのも構わず必死に後を追うと、徐々に霧が晴れてきた。

 

 気づけばそこは、神社の駐車場付近にあった橋のその下であった。参拝待ちの車列は橋の上までのびていた。
 今までいた小さな火星は、どうやら大雨が降った際の水路であったらしい。深い山の中、特に溶岩で出来た斜面は、水を吸わず、雨が降れば表面の堆積物とともに混濁流となって、勢いよく流れ出し川になる。それがやがて、別の混濁流と合流し津波に似た災害となって山を下り、里を襲うのだ。
 だから、このような大型の水路をいくつか人工的に造ってしまうことで水流を制御し、災害を未然に防いでいるのだろう。


 どうにか”川”の上に出ようとしていると、石を積み上げた塔が見えてきた。山の中でしばしば見られるこれは、恐らく先に道に迷った人々が積んでいったものであろう。
 ということは、近くに出口があるはずだ。
 

 石塔側の森の斜面を登ると見覚えのあるアスファルトの道路が見えてきた。



 位置関係をみるに、どうやら御殿場方面へ南下してしまっていたようだ。砂を蹴散らす見えない蹄を追いかけなければ、濃霧の中で遭難していたかも知れない。

「こっちだよこっちこっち」

 また、透明な揺らめきが近くの林の奥へ進んで行った。
 
 こうなったら、とことんつきあってやろうでは無いか。


 山神社を回り込んだ奥の森、地面には絨毯のように苔や草が生えとても歩きやすい。
 そう、ここだけ富士山が噴火する以前の姿を留めた、まるで太古の森のようになっていた。水はけの良いスコリアの上に、苔なんてそうそう生えるもんじゃない。

 新屋山神社が静まり返っているのは、このフカフカした場所が防音材になっているのが原因なのだろうか。

 背後の草木が、何かが歩いているように規則的に沈みだす。
 
 ゴ ン ❢

 気配に振り返ったディックの禿頭に、容赦なく太い木の枝が直撃する、「う~ん」と呻く。
 
 透明な揺らめきが樹の幹の陰から音もなく、のそっ…のそっ…と出てきては、次第にダークグリーンの身体を浮かび上がらせる。
 その獣は大型のイノシシのようなずんぐりしたシルエットに2つの長い角、ぼうっと蒼白く光る4つの目をもち鼻の頭に長いトゲがある。
 そいつは首の辺りに幾何学模様の入った赤い玉をぶら下げていた。

「ぼく、じつはおねがいごとがあるんだけど」

 「ああ丁度良かった。オレもお前に用事があるんだ」

 国連宇宙軍の元軍人は、得体の知れない怪物にも怯むことは無かった。





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