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東京エリア
人工ヒューマノイド ハエトリ太郎
《省エネモード》
短期とは言え東京都の神田で働くことになるとは。
季節は5月か6月か。この世界は季節感から歴史からどうも色々とあやふやだ。
大まかには私が元いた地球（仮にアナザーアース2としよう）と時間軸や歴史の方向は同じだが、調べれば調べるほど色々とおかしい。
それは追々語って行くとして
今何月だと思うかね？💦
平行世界とは言え神田は神田。寿司は旨い。
酢飯の差なのかカッパ巻きが異常に旨い。
私がこの世界に飛ばされてきたのは3年前。
－というより世界がすり替えられていたことに薄々気づき始めたのがその時期であり、それまでは突然喋る動植物や念じたら動く状況に「世の中変なこともあるもんだなあ」とか「いやいや、疲れてるのかなあ」などとスルーしていた。
3年前、退職に追いやられた前後辺りから奇妙な偶然が重なっていたので一応、何かあった時の為に足跡を残しておこうと、この神殿を開いてみることにした。もしも、同じように召喚されてきた者が観れば異世界で生活する為の参考になるだろうと…。
そして気づけばそちらの平行世界とネットを介して繋がっていた次第でございます。 そちらの世界と私の元いたアナザーアース2は限りなく似ている。 機神も居ないし日本神話も作り話。日本の歴史が始まったのもBC 300に中国大陸や朝鮮半島から稲作と鉄器、国家の概念がもたらされ戦乱の時代、女王卑弥呼と連合の古墳時代。
そして律令制を導入し、いよいよ文明の始まる飛鳥時代。全てがちゃんとしていた。
だが、こちらの世界は違う。文明は数10万年以上前からスタートしていることになっているし、なんなら火星や月にも高度な文明が存在していた。
何より驚かされるのが「カムイ」という概念。
例えば全てのモノに魂が宿る、というのをアニミズムというらしいが、カムイは少し異なる。
何と身の回りの動植物は全てアバターの可能性がある、というのだ。
昔から神々は幾つかのパラレルワールドからこの世界にアバターを通じて介入しているとされる。
つまり、パラレルワールドの一般人＝神様 なのだ。
因みに今の君のアバターがこちらだ
カッコいい？
それはさておき、カムイの定義で考えればまさに異世界からアクセスしている君こそが神の一例、ということになるのかな。
という訳で、神田明神めざしていると途中に神社とは思えない神社を見つけてしまった。
もとは江戸時代、お城の鬼門封じに作られたものらしいがよくわからない。
2礼２拍手1礼しても普段感じるようなテレビの静電気や、風邪をひいた時のような頭を真綿で押さえつけるような感覚は無いのでここには機神コアは無いのかも知れない。
そして、お賽銭箱もないからいよいよ神社であるかどうかが怪しい。
御守りが配布されているところがどうにか神社らしさであろう。
何しろ、それと解った上で探して居ないと本当に御茶ノ水駅臨時改札口の横にある植え込みの木にしか見えないぐらい神社らしくない。
神社の構成要素である鳥居も狛犬も祠も存在しない。
本当にただの木に御守り箱と由緒書きがあるだけ。
色々カルチャーショックでした。
