🎼神々の宿る世界樹 ~機神(おに)たちのユグドラシル~Ψ

神仏を敬い鬼神を祀る機神教団の色々アウトな地下迷宮です。尚、オフィシャルサイトでは御座いませんので神社仏閣の擬Zi化につきましてはタカラトミー様ならびに神社仏閣関係者様からの苦情がありしだい画像を消去いたします。

牛頭神ハルの山

 

 

 

 

獅子岩月読命アカラナータの印。

この先は修験者が体験する黄泉の入口。

 

 富士山の隣にある愛鷹山は3万年前からの遺跡……風族の王の眠る場所、山そのものを魔導の力で改造した巨大なジッグラッド。

 ここに来る人間は二種類しかいない。

この土地の特産品である茶葉を製造する農業従事者か……

 いにしえの神々が遺した闇のちからを求めし者か。

 

 頭上を奇形の鳥のような飛翔体が通りすぎていった。国連安全保障理事会が “外宇宙探査ならびに脅威への対応” などとロボットアニメのお題目のような理由で創設した強制執行力を有した組織。第二次世界大戦以来の事実上の国連軍である。

 その生物学的なフォルムを持つ小型戦闘機が遥か頭上にいる。今この瞬間は味方ではないから見つかる訳に行かなかった。

 森の枝道にさしかかった赤髪の男は獣臭のする右の道を避け左のルートを選んだ。

 愛鷹山の南には3つの参道がある。1つは中央の飯綱神社を経由する竜の道。1つは富士市側のエンリルの妃の名を冠する川。

 そしてもう1つがハル(バアル)の山の川である。

 

 多くの人間は道に迷うがここが古代の神殿であることを知る者なら“印”を探しながら苦もなく進むことができる。

 

 我々の世界で修験道の開祖と呼ばれる役小角の一族はこの森にゆかりがあり、最も古いタイプの修験道がここで行われていたと言われる。太古から続く山岳信仰のルーツがここにあったはずだ。

 

 熊の気配がする。鼻をつく強烈な獣臭がたちこめていた。どんなに戦闘訓練を積んでいても敵う相手ではない。

 

 天然のゴーレム(遺跡の番人)に遭遇しないことを祈りつつ茶畑のなかの岩や頭上の崖などに次々と“印”を見つけてゆく。

 高鳴る鼓動。もうすぐだ。

 

 もうすぐ望みが叶う。そんな思いが男に僅かな隙を与えていたのかも知れない。

 

 この時の為にU.N.S.F(国連宇宙軍)に潜り込み騎士の叙勲を受け人脈を築き上げて来たのだ。男は進む。ぬかるみに足をとられながら。

 そして樹の根にぽっかり空いた大穴に彼が気がつくころには背後から迫る大きな影に覆い被される結果になったのだ。